1日目

 

目覚めると、バスから見える景色はすっかり霧に包まれていた。
今日一日ずっとこの天気なのかとちょっと不安になってしまう。
だって夢にまで見たスウェーデンにやってきたのに、
しかも美しい夏のスウェーデンなのに、霧で何も見えなかったら悲しすぎる。

霧の風景

 

17日の23:30にドイツのハンブルグから、デンマークのコペンハーゲンを経由して
スウェーデンのストックホルムに向かうユーロライン社の夜行バスに乗りこみ、
途中でフェーリーに揺られること2回、わたしと友人Kは18日のお昼頃
ようやくリンチョーピン(Linchoping)に降り立った。
腰が痛い…12時間くらい乗ってたもんね。


Linchoping駅でスウェーデンの通貨をまったく持っていなかったので、
お金を下ろそうとATMを探す。駅をちょっと出たところにあったが、
なぜかキャッシュカードが使えない。
しかたなくキャッシュ機能のついたクレジットカードでお金をおろした。

駅の売店で切手4枚とパン、ジュース、チョコレートを買ったら
なんと100スウェーデンクローナ!(以後SEK)
レートは2005年8月時点で1SEK=約14.5円。つまり約1500円ですよ?
いままで物価の安いチェコにいたので、すごくびっくりした。
チェコでは500mlペットボトルは約20円。スウェーデンでは約200円!
北欧は物価が高いときいていたけど、ここまでとは。
そっか、ここからは頭を切り替えていかないとダメなんだと悟ってちょっと暗くなる。

目的地のヴィンメルビー(Vimmerby)までは、高速鉄道X2000(北欧の新幹線)で
ここから1時間半ほど。ユーレイルパスを持ってても
80SEKの追加料金がかかります。

さっきまでの曇り空がうそみたいに晴れ、
きつい日差しに照らされた平原や森や湖などの
美しい自然の中を通って、午後3時前にヴィンメルビー駅につく。
駅には誰も見当たらない。観光案内所はどこだろう?
とりあえず駅のチケット売り場らしき部屋に入る。
駅員さんにBullerbyn(やかまし村)への行き方をたずねると、
ここはインフォメーションじゃないと言いつつも
バスの時刻を調べて、教えてくれた。やさしいなぁ。
(ちなみにBullerbyn(やかまし村)は実在するというわけではなくて、
映画撮影時のセットが街に残されているらしい。)

駅のコインロッカーにスーツケースを押し込み、坂の上の観光案内所まで行く。
感じのいいお姉さんが対応してくれた。
泊まる予定だったユースはそこからかなり距離があることが判明。
動揺していると、よいフラットがあると紹介してくれる。
設備もいいらしいし、こっちに乗りかえることに。

バスの時間が迫っているので、急いで坂を下りバス停へ。
Pelarneに向かうことを運転手さんに確認してバスに乗り込む。
10分後、はじめの停車駅Pelarneで下車。お代は片道48SEK。

さてとここから、やかまし村の映画の舞台がのこるSevensdropまで4km歩くのね。
・・・7時にコインロッカーが閉まるから6時半のバスに乗らないと。今4時。
ん、ってことは一時間かけて歩いて行って、着いたらすぐに帰らないといけないの?
えー。しかも友人がすごい具合悪そうにしてる。
わたしのワガママでこのまま歩いていっても疲れるだけで、
観光なんてしてる暇ないのはわかってるけど
はるばる日本からやって来て、見られないなんてそんなのアリ?
そんなジレンマに悩まされながらも、
美しい景色にうっとりしながらとりあえず歩くこと20分。
あの坂を越えて町が見えたら・・・なんて希望をかけてたけど
行っても行っても見えるのは森と道ばかり。


ついにあきらめて、もどって帰りのバスまで時間をつぶすことに。
もどる途中、行きにみかけたとても美しい景色が広がる牧場みたいなところに
ぼんやりと座り込んでみる。なんてきれいなんだろ。
もうこれでじゅうぶんかもと思えてきた。

牧場

友人と道端にすわりこんで、おしゃべりしながら自生している木の実などをちょっとかじる。
自然の甘さがした。お腹、壊さないよね?
そんなことをしてるうちに時間は過ぎ、そろそろバスが来る時間。


あぁ、見てみたかったな、リーサたちの3つならんだお家。
いつになるかは分からないけど、もう一回来ようと誓う。今度は車で!!

やかまし村に続く道

バスに揺られてVimmmery駅までもどり、スーツケースをひいて100mほど離れたスーパーへ。
次の日の朝ごはんを買い込んで、いざ、フラットへ!
ところがそれからが大変。わたしのスーツケース、実は旅の途中で車輪が壊れてしまって、
力を入れて引っ張らないと進まなくなっていたのです。

20kgちかくあるスーツケースを引き引き坂をあがり、途中で友人が観光案内所に寄って
シーツ類を受けとりにいってくれて、また坂をのぼって
プリントアウトしてもらった住所の番地を探す。

行っても行ってもなかなか着かない。腕が疲れて、
もうこれ以上引っぱるのは無理って頃に、ようやくそれらしき番地を発見。
でもこれ、普通のお家に見えるんですけど・・・。
もし入っていって、違ったら不法侵入やん!家の前で戸惑っていると、
隣の家の窓からこっちを見ているおばあさんと目が合った。
思いきって声をかけると、わざわざ外まで出てきてくれた。いい人だなぁ。
英語は通じなかったけど、紙に書かれた番地を見せると、その家だと教えてくれた。
お礼を言って別れ、家に入る。

フラット

 

その部屋はフラットの一階にあった。
鍵を回してドアを開けると、ほんとにここに泊まれるのって思うくらい素敵なお部屋。
台所にベッドにソファーにテレビにシャワー!!
きゃっほー!!一気にテンションがあがる。
1週間くらいずっとユースホステルの大人数部屋だったもんね。

 

インテリア


しばらくごろごろしているともう8時。
そとはまだ明るいけど、夕飯を食べに外に出るのが面倒になって、
朝ごはん用の食材で済ますことに。
きのこのペーストを塗って、サラミを載せたWasa(クラッカーのようなもの)と
オレンジジュース、それにクッキーとチョコもある。満足満足。


ご飯を食べ終わってから、久々にゆっくりとシャワーを浴びた。日記をつけて、
ふと星が見えないか気になって、外に出てみる。たぶん午前1時ごろ。
まるい月が夜空を明るく照らしていた。月ってこんなに大きく見えたっけ?
暗がりになれると星もちらほら見えてきた。
中学で習った北極星の見つけ方を思い出そうとしたけど無理だった。
北斗七星とオリオン座しかわからない。


8月だけど夜は半そででは肌寒い。
明日また見に出よう。そんなことを思って家に戻り、
暖かなベッドにもぐりこむとすぐに眠りに落ちていった。

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